ラナクター研究所
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 高瀬彼方氏の次回作?
以前紹介した「ディバイデッド・フロント」の著者、高瀬彼方氏のウェブ日記によると、次回作は百合をテーマにしたものになりそうですね。「カラミティナイト」も既に非の打ちどころ無く百合小説だった気もしますが。一人称形式による濃厚な心理描写を得意とする高瀬氏ですから、なかなか楽しみです。
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(2005/03/30(水) 18:08)

 (続き)サガフロンティアの話
最後に、サガフロンティアに触れたいと思います。この作品は、プラットフォームがプレイステーションに移行したこともあって、グラフィックにかなり力が入っています。これは、PC同士の連携技・魔法の滑らかで美しい動きや、リージョン(小世界)の雰囲気の演出などに大きく貢献していると思います。システム的には、ロマンシングサガ3と同様に主人公を8人の中から一人選ぶ方式で、戦闘や成長はSAGAシリーズとロマンシングサガシリーズの融合した形になっています。さて、過去の作品で得た教訓をどのように活かしているのかが気になるところですが・・・全然活かされていません。キャラクター固有のストーリーが若干強化され、最終ボスもキャラクターごとに違うという点でサガフロンティア独自の特徴が出ているものの、キャラクター共通イベントが大幅に削減されたため、一回のプレイのボリュームが大きく減少しました。依然としてゲーム内容の完成度は低く、バランス調整不足・会話の不備・説明不足が目立ち、再プレイする意欲を減退させます。

最大の問題として、背景世界の特徴であるはずの独立した小世界群リージョンが、ほとんど意味をなしていません。各リージョンが極端に小さいのが原因で、良くて町が一つとダンジョン二つ程度、多くはリージョン=ダンジョン一つといった体たらくです。まともな会話のあるNPCがリージョンごとに数人から十数人では、それぞれが全く異なった文化をもつリージョンの特徴が出せるはずもありません。美麗なグラフィックのおかげで雰囲気は伝わってきますが、プラットフォームが二世代違うSAGAから進歩した点がグラフィックだけでは悲しすぎます。

とは言うものの、各キャラクターのシナリオはそれぞれ特徴的かつ魅力的で、「もったいない」というのが筆者の印象です。とりあえず、百合好きの人はアセルス編だけでもやっておきましょう。

さて、長くなりましたが最後に筆者のお薦めをまとめておきます。ゲームボーイなら魔界塔士SAGAサ・ガ2 秘宝伝説、スーパーファミコンならロマンシング サ・ガ2、プレイステーションなら百合好きの人限定でサガフロンティアをお薦めしておきます。

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(2005/03/21(月) 19:48)

 (続き)ロマンシングサガの話
さて、リメイクが発売される予定の初代ロマンシング サ・ガは、主人公を中心としたストーリー志向のRPGでありながら、8人の候補の中から一人を主人公として選び、残りの7人はNPCとして主人公の話に関わってくるという、コンシューマゲームとしては意欲的な狙いの作品でした。また、ストーリー志向でありながら自由度が高く、世界中を旅しながら好きなキャラクターを仲間にして好きな場所で好きなイベントをこなすことができるという魅力的な特徴を持っていました。

しかし、ゲームの停止やセーブデータの消失といった重大なものを筆頭として、ロマンシングサガには異常なまでにバグが多く、また話しかけても「一切」何も応答しないNPCが多数いるなど、未完成部分が目につく作品であることも事実です。さらに、フィールド上でモンスターを目視して回避できるというシステムが採用されていますが、ダンジョン内のモンスターの数が異常なまでに多く、誇張では無しに部屋にびっしりとモンスターが集中して膨大な数の戦闘をこなす破目になるなど、明らかにプレイテスト不足の状態でリリースされています。このダンジョン内でのフラストレーションは結果としてプレイヤーから再プレイの気力を奪い、イベントの不足も相まって、「一本のゲームで8回楽しめる」という当初の目論見とは逆に、「1/8の量のゲームを1回分しか楽しめない」という印象をプレイヤーに与えることとなりました。今回のリメイクの成否は、ゲームシステム上のリファインと、イベントの追加にかかっているのではないかと思います。

続編であるロマンシング サ・ガ2は、前作とはゲームシステムを一変し、一層特徴的な作品に仕上がりました。主人公は没落した帝国の王子で、継承法と呼ばれる古代の秘術で転生を繰り返しながら、帝国の運営と悪の討伐を行っていきます。敵は七英雄と呼ばれる伝説の勇者たちで、邪悪な意図をもって世界に舞い戻ってきました。主人公が志半ばで倒れたり、あるいは領土拡張に伴う政務のために老衰死したりした場合には、その魂が次の皇帝に受け継がれ、七英雄が全て倒れるまで安息の日は訪れません。この、主人公も含めてパーティ編成が変わっていくというシステムはこのゲームが始めてではありませんが、前作から受け継いだ自由度の高さにより、プレイヤーによって全く違った帝国の歴史が紡がれていくという点は実に斬新だと思います。主人公の後継者はかなり自由に選べますし、各地方をどこからどのように攻略するかも全て自由、七英雄を倒す順番すらも自由です。また、戦いの途中で新しい必殺技を閃くというシステムが初めて導入され、単調になりがちな戦闘に新しい要素を持ちこみました。

もちろん、ロマンシング・サガ2に欠点がないわけではなく、前作から受け継いだものも含め多数の欠点が有ります。まず、システム上のバグは前作ほどではありませんが、NPCの会話量はやはり少なく、説明不足な点が多く見受けられます。また、前作同様に物理戦闘と魔法のバランスが悪く専業魔法使いが殆ど役に立たない点、敵と味方のHPバランスが悪く、敵が使ってくる必殺技が味方を全滅させることが多々ある点など、やはりプレイテスト不足が否めません。

三作目のロマンシング サ・ガ3では、ゲームシステム的にはロマンシングサガ1に回帰しており、やはり8人のキャラクターから一人の主人公を選ぶという形になっています。戦闘中に必殺技を閃くというシステムが導入されている他は、ロマンシング・サガ2とは殆ど接点がありません。また、閃きシステムの導入と多数追加されたミニゲームを除けば、ロマンシングサガ1との違いも希薄です。残念ながら、共通イベント・キャラクター別イベントともに依然として不足しており、ゲームバランスやストーリーにも未完成の部分が目立つなど、不満の残るゲームとなりました。目玉であったはずのマスコンバットとトレードは、ミニゲームとしての完成度の低さもさることながら、ゲーム本体に殆ど影響を与えないため、存在意義が脆弱です。

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(2005/03/17(木) 14:34)

 SAGAとロマンシング・サガとサガフロンティアの話
スクウェアエニクス社からロマンシング・サガのリメイクが出るようなので、今回は一つ関連シリーズの総評のような話をしてみようかと思います。ここでは、ゲームボーイでリリースされたSAGA三部作、スーパーファミコンでリリースされたロマンシング・サガ三部作、そしてプレイステーションでリリースされたサガフロンティアを扱います(サガフロンティアは続編が出ていますが筆者未プレイのため除きます)。

魔界塔士SAGAは、ゲームボーイの黎明期に(おそらく)初のRPGとしてリリースされたもので、「携帯ゲーム機でRPGは無謀だ」との固定観念を乗り越えて大ヒットとなりました。ハードウェア的な制限もありグラフィックやゲーム内テキストはかなり貧弱でしたが、工夫が効いていて手堅くまとまったシステムと印象的な終盤のおかげで名作としての座を確立しました。特に、武器に回数制限があるため効率の良い戦い方が要求される点、人間・エスパー・モンスターという三種類のPC種族がそれぞれ全く違った成長の仕方をする点などが成功の秘訣だったのではないかと思います。

この続編にあたるサ・ガ2 秘宝伝説は、システム的には前作の問題点を洗い出して改良を加えたマイナーアップデート版といって良いのではないかと思います。PC種族に武器を無制限に使用できるロボットが加わりパーティ編成と戦略に広がりができましたし、モンスターの変身対象に前作の中ボスが加わるなど、目立たないもののファン心理を理解した改良が加わっています。ストーリー的には、「行方不明になった主人公の父親」をめぐる余りにお約束な展開はともかく、まあ及第点といって良いのではないかと思います。この作品はやはり大ヒットをとばし、多くのファンを生みました。

残念ながら、三作目にあたるサ・ガ3 時空の覇者は過去の作品ほどの評価を得ることはなく、特に従来のファンからは批判の声の強い作品となりました。過去の二作が独自のシステムと雰囲気のもとに構築されていたのに対し、SAGA3ではこの両者を解体し、「劣化ファイナルファンタジー」とでも言うべき作品になっていたのが原因ではないかと考えます。据置型のゲーム機と比べれば圧倒的に劣ったスペックのゲームボーイにおいて、ファイナルファンタジーのクローンを作ろうとしたところで上手くいくはずもなく、SAGAをSAGAたらしめていた要素を変更することで従来のファンから見放されてしまいました。

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(2005/03/17(木) 14:29)

 アカイイト
SUCCESSのプレイステーション2用アドベンチャーゲーム「アカイイト」を準コンプリートしましたので、レビューなど。総評としては「伝奇ものアドベンチャーゲームとしては佳作、百合好きな人は購入必須」とさせて頂きます。

謳い文句は「和風伝奇ホラー」となっていますが、正直ホラー要素は薄いですね。純粋に伝奇ものとして評価するとまあ並でしょうか。伝奇としての背景設定はありがちなもので可もなく不可もなくといったところ。ただ、主人公の少女の一人称形式で語られるテキストは良質で、登場人物同士のやりとりも非常に良くできていると思います。

本作のストーリーの比較的珍しい点は、主人公が「守られる」立場にあり、戦闘力も超能力もオカルト知識もクトゥルー知識(違)も何もない点にあります。主人公の役目は他のヒロインの心の支えとなること、そして血を吸わせることによって相手を強化すること、の2点。もちろん見せ場もありますが、普通の小説であれば脇役ないし所謂「お姫様」役といったところです。ただ、守られるだけの立場であることに葛藤して前向きに努力する主人公が描かれており、人間関係の描写の巧さも相まってカタルシスは充分です。

ゲームシステムという側面からコメントすると、コマンド選択式ではなく分岐式の所謂サウンドノベル形式で、プレイした部分の分岐図が参照できる点を除けば特筆することはありません。ただ、前述の通りテキストは良質で、またグラフィックの枚数こそ少ないものの、ズームインを巧く使ってアニメのような演出効果を出しており感心させられました。音楽も良質ですがサウンドモードが無いのが惜しまれるところです。他に難を挙げるとすれば売りであった筈の血液ゲージがほぼ無意味であることですが、吸血シーンそのものは巧く(妖しく)演出されています。

さて、おそらく購入者の半数以上はこれを目当てに買っているであろう百合(女性同士の淡い愛情)要素ですが、これは好みに大きく左右されるところかと思います。キスや愛の告白といった直接的な恋愛感情の表現は無く、百合要素はやや薄め。ただし、キャラクターによってはそれに近いイベントは起こります。プレイヤーの感性によって、「強い友情」「家族愛」「恋愛感情の芽生え」のいずれとも取れるような絆が描かれています。

濃さとしては「マリア様がみてる」と同程度かやや薄め、ゲームでは「サモンナイト」か「エラン・プラス」と同程度だと思って頂ければ良いでしょう。明確な愛の告白のある「リトル・ウイッチ レネット」やハッピーラブラブウェディング(声優コメントより)のある「あやかし忍伝くの一番」と同じ水準を期待すると肩すかしを食らいます。

前述の通り、アカイイトは百合に興味のある方なら絶対に購入するべき一作だと思います。百合は特に好きではないという方は財布と相談してお好みで、といったところでしょうか。

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(2005/03/10(木) 14:10)

 ディバイデッド・フロント
さて、今回の話題は「絶版になってしまった傑作小説」・・・はやめて、もう少し明るい話題にしましょう。
角川スニーカー文庫の新刊、ディバイデッド・フロント最終巻を読了したので書評など。

さて、このシリーズの概略を説明すると「人類の未来を守るため、異世界の怪物と戦う少年少女の物語」・・・って、あまりにありきたりに感じられますが、いわゆるファンタジーものではなく近未来もの、主人公は選ばれた勇者でも何でもなく自衛隊に属する一兵卒です。ご存知の方ならば「ガンパレードマーチ系」の一言でお分かりでしょう。

結論から言えば、かなり楽しめました。角川スニーカーとは思えないほど絶望的な状況を舞台にしながら、その絶望的な状況の中で前向きに努力する登場人物の姿が非常に良く描かれています。また、著者の高瀬彼方氏十八番の心理描写も実に巧く、過酷な状況を実にリアルに読者に投げかけてきます。正直、角川スニーカーでこれだけ読ませる作品というのもそうそうないのではないかと思います。

さて、読み手に希望を与えることをテーマとした小説の書き方というものは、およそ二種類に分類されると思います。「現実が暗く救いのないものである以上、小説の中では夢や希望に満ちた世界を描くべきである」というポリシーに基づくものと、「現実が暗く救いのないものである以上、暗く救いのない状況で前向きに努力する人々を描くべきである」というポリシーに基づくものです。ディバイデッド・フロントは、明らかに後者に属します。

平和な場所に残された家族のために、隣で戦う戦友のために、主人公たちは戦います。しかし、この小説は「滅び行くであろう世界」を舞台にしており、主人公たちはただの一兵卒に過ぎません。主人公の努力で救われる人々は確実にいる・・・しかし、主人公の努力で世界に平和が訪れることもまたありません。世界を救うようなお気楽大団円エンディングではなく、フィクションの世界でのリアルな戦争潭を通じて読み手に希望を与える、ディバイデッド・フロントはそんな物語です。

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(2005/03/08(火) 21:15)

 中途絶版シリーズ・続き
角川文庫「冥界の門」シリーズ

ドラゴンランス戦記」シリーズのマーガレット=ワイスとトレイシー=ヒックマンと聞けば、ご存知の方も多いのではないでしょうか。原書で全7巻まで出ていますが、日本ではそのうちの3巻分計7冊が刊行されたところで打ち切りになってしまいました。冥界の門の舞台は、古代の光と闇の半神達の戦いの末に引き裂かれてしまった世界で、エルフやドワーフや魔法の出てくる所謂「剣と魔法のファンタジー世界」・・・と聞くと実に凡庸でひねりのない設定のようですが、この小説のミソは主人公が半神の一人、しかも闇の側の半神であるということでしょう。

古代の戦いでは光の半神たちが勝利しており、彼らによって世界は4つの「完璧な」小世界に分離されました。闇の半神たちは矯正施設となるべき迷宮の世界に閉じ込められてしまいました。しかし、光の半神たちの魔法にどこかで綻びが生じ、完璧なはずの4つの世界は災厄に見舞われ、迷宮の世界は死の罠で満ちあふれます。闇の半神たちが何十世代もかけて迷宮の世界を逃げ出すと、牢番であったはずの光の半神たちは姿を消しています。主人公は闇の半神の王に命じられ、神としての力を隠してスパイとして4つの世界に調査と破壊工作にでかけることとなります。

先にエルフやドワーフが登場すると書きましたが、この4つの世界のそれぞれで人間・エルフ・ドワーフの各種族が全く異なった文化的発展を遂げているのが面白いところです。例えば、第一巻の舞台である「空の世界」では、エルフは軍事技術を発展させて大帝国を築き、人間たちを支配しています。また、ドワーフは光の半神の残した謎の巨大機械を崇拝してこのメンテナンスに生涯を捧げていますが、一方でこの機械の副産物に目を付けたエルフは神の使徒を称し、ドワーフたちを搾取しています。第二巻の舞台である「火の世界」では、人間の諸侯が覇権を賭けて争う一方で、エルフは商業を発展させ、暴利を貪っています。ドワーフたちは人間ともエルフとも接触せず、隔絶した生活を送っています。

また、4つの世界そのものも実に特徴的です。空の世界では浮遊大陸が舞台となって、ここでは人間の魔術師が支配するドラゴンたちや、エルフの築いた飛行船が駆け巡っています。石の世界はどこまでも続く地底の洞窟とマグマの川で構成され、地表は氷に閉ざされています。

後半の巻のストーリー展開にはやや強引なところもあるものの、魅力ある設定とキャラクターに支えられた良作です。

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(2005/03/03(木) 08:47)

 ワイルドカード
こんにちは、ラナクターです。
このブログでは科学やゲームや小説や百合のことなどをまったりと語っていきたいと思います。

初回の話題は「翻訳物の海外長編小説で途中の巻まで出版されたところで邦訳版の出版が打ち切りになってしまったもの」です。我ながらのっけから嫌なトピックを選んだものですが、張り切っていってみましょう(誰が?)

創元SF文庫「ワイルド・カード」シリーズ

これは長編ではなく複数作家による連作ですが、実に面白い! ・・・にも関わらず6冊目まで出たところで日本での出版は打ち切りになってしまいました(翻訳の中心となっていた黒丸尚氏が逝去されたためと聞いています)。内容はと言いますと、「アメコミのヒーローものを真面目に(そして暗く)小説化」といったところでしょうか。アメコミといってもスーパーマンの方ではなく、Xメンでおなじみのマーヴェルコミックスを意識した設定になっています。

異星人の生物兵器であるワイルドカード・ウイルスによって世界中で無数の人々が死亡(ブラック・クイーン)し、また少なからぬ数の人々がミュータント(ジョーカー)と化してしまいます。しかし、ごく一部の極めて幸運な人々は、超能力を得てエースと呼ばれる存在となります。「ワイルドカード」はそんなヒーローたちの悪との戦いを描いた大冒険活劇・・・ではなく、ワイルドカードによって変質してしまった世界に生きる人々を描く群像劇です。ミュータントとなってしまった人々=ジョーカーに対する社会的偏見、超人的な力を持つエースに対する一般人の羨望・落胆・恐怖などなど、「もしも」の世界の人や、社会や、政治の動きをリアルに描いた傑作です。勿論、エースの冒険活劇を描いた話もありますが、このシリーズの魅力はリアルに描かれた人々の織り成す群像劇に集約されます。

ちょっと登場人物の一部を(ネタバレありになってしまいますが)紹介しましょう。

・ドクタータキオン ワイルドカードウイルスを作り出したタキス人の貴公子で、同胞が生体実験としてウイルスを地球にばらまこうとするのに反対し、阻止するために地球にやってきます。これに失敗した彼は人間に混じってワイルドカードの被害者の治療にあたります。ジョーカーの希望の星とみなされるタキオンですが、実際には弱虫で、優柔不断で、心の底にジョーカーへの嫌悪感を隠しています。

・ゴールデンボーイ ワイルドカードによってスーパーヒーローとなった彼は、他に3名のエースやタキオンと共に「フォー・エースィズ」というチームを構成して正義のために活躍します。が・・・、「エース狩り」として知られることになる政治的謀略の犠牲となった彼は結果として他のエースを裏切り、「エースのユダ」として名を残すこととなります。これによって愛する人を失ったタキオンは、ゴールデンボーイを憎悪しています。

・フォーチュネイト 日本人と黒人のハーフで、ゲイシャと称して娼婦を教育するポン引きでしたが、ひょんなことで潜伏状態にあったワイルドカードウイルスが活性化して地球有数の強力なエースとなり、なりゆきだけで世界を救うことになります。タキオンを軽蔑しています。

・パペットマン ジョーカー差別と戦う高潔な政治家というのは表の顔、実際には他人の心を支配する力を持った邪悪なエースで、その能力を使っていずれはアメリカ大統領に登りつめようとしています。タキオンすらその正体を知らず、パペットマンを親友だと思っています。

このシリーズの面白さが頂点に達するのは日本では未訳の第六巻「Ace in the Hole」(日本で刊行された六冊は原書の三冊目までに当たります)で、遂に大統領選に出馬するパペットマンと、彼を取り巻く多数のエースやジョーカーの織り成す複雑な人間模様は圧巻の一言です。英語に自信のある方は原書にチャレンジしてみては如何でしょうか。


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(2005/03/03(木) 08:41)

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